秀才くんに教えてあげる


男の人はさっきまで顔をしかめていたのに今はキョトンとした顔でこちらを真っ直ぐ見つめている


そんな見ないで……!


早く秀才くんを連れてきて下さい……!


『怜は……俺だけど…?』


『………え?』


予想外の言葉に私は目を見開く


ちょっと待って……


今、何て??


『橘…怜くん?』


『そうだけど……』


『えぇぇぇぇ!!!?』


私は本日2回目の大声をあげる


そんな私の声に目の前の秀才……いや、橘くんは顔をしかめて耳を塞いだ


相当うるさかったらしい


ランドセルを背負った小学生が私の真似して大声をあげる


小学生はゲラゲラと笑いながら駆けていった


何だか馬鹿にされた気分だ


『あのさ……俺に何か用?何もないなら………』


『ま、待って!!用ならあります、あります!!』


私は扉を閉めようとする橘くんを慌てて止める


橘くんは扉を閉めるのを止め、私に向き直った










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