赤い狼 ~連の初めての気持ち~
だから、疑う事を忘れてたんだ。
俺に関わらず、親父が誰かにメールを打ってる姿なんて今まで一度も見たことなかったのに。
メールを見たあと、すぐに家に向かった。
ウキウキと気持ちが高ぶってるから歩くスピードが速くなる。
だけどあまりにも家に着くのが早いと嬉しかったのがバレそうで少し遅く歩いた。
この時の俺は中学二年。ちょうど思春期真っ最中の俺には"照れ"というのに非常に敏感だ。
顔が緩んでたら親父と話すのを楽しみにしていたのがすぐにバレてしまう、と遅く歩きながら顔を何度も引き締めた。
――――そんな馬鹿な俺はこれから何が待ち受けているかなんて想像もしてなかった。