赤い狼 ~連の初めての気持ち~





なんだか嫌な予感がして踏み込んだ足を一歩、今度は後退させる。




「……へぇ、そう?俺いい男になった?そりゃあありがたいね。じゃあ親父居ねぇみたいだし俺帰るわ。」




そしてそのまま少し早口で女共に言葉を落とし、くるりと体の向きを変えてリビングから足を出した。



と、





「え~、もう帰っちゃうの~?」




甘ったるい声で一人の女が俺の腕を掴んできた。ごちゃごちゃと飾られた長い爪が腕に食い込んで痛てぇ。




「…離せ。」



「え~、そんな素っ気ないこと言わないでよ。もっとお話しよう?」



「離せ。」




このままだと吐き気が催しそうで俺の腕にぴたりと胸をくっ付けてくる女を振り払うように腕を振る。





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