赤い狼 ~連の初めての気持ち~







ぜってぇ、冷たい目で見下されると思っていた。




「出てけ。」


そう言われると思っていた。





なのに…






この時、親父は…







自分が着ていた上着を俺に掛けて


「ごめんな、ごめんな。」


って泣きながら優しく、抱き締めてくれたんだ…―――






最初は、夢なのかと思って信じられなかった。



でも、俺を抱き締めている腕が温かくて。




現実なんだ、夢じゃねぇんだ。って実感した。





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