京都マーブル・ラブストーリー
1 晴耕雨読

(のんびりしていたいのに)


毎日毎日よく降るなあ。

アタシはそんなこと思いながらホウキを杖にして窓の外を眺める。


「ちょっと!サナ!
何掃除サボってんの!」

背後から聞こえる大きな声にびっくりして振り向くとそこには友人の樫原 リノ(カタギハラ リノ)が立っていた。


「リノ…」


「早よ、
掃除終わらせてそれから今日は清水寺付き合ってって約束してたやろ?」


もう、
何が清水寺なんだか。

地元だよ?

ここ京都。

アタシ生まれてからずっとここ。



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