Nostalgicな祭りのあとで
事情を話すと、ぱっと手を放し、代わりに七菜をつかんだ。
「リハーサルはボク達で何とかするよ。行って。」

七菜は驚いた。
勇気は、いつの間にこんなに頼もしくなったのだろう。

二人は校庭にはいるトラックの間をすり抜けた。

陸はちらりと荷台に積まれた機材を見た。
祭りを楽しむためには、まずはやまじいを見つけるのが先だ。

「いた!!」

一瞬目を疑うようなボロボロの格好のやまじいは、体育館へと入っていった。
そこでは真山社長の講演会をやっている。

「じぃちゃん!」
二人も後を追った。

真山はスライドショーを携えながら、隣町の成功の軌跡を語っていた。
やまじいはそれに近づいていく。
舞台の下で司会役を務めていた教頭が異変に気付き、やまじいに駆け寄った。
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