窓ガラスが割れると同時に白い塊が転がり込む。

「危ないから片付けてよ、非リア充」

「これはなんじゃ?」

転がっていた白い塊を拾い上げてまじまじとログは見る。

「う、う…さぎ?」

「うさぎ鍋…悪くないわ」

「食べるつもり?
ここ二階なのにどうやって」

「………なせ」

「ログ何か言った?」

「離せ!」

ピョンとうさぎ?はログの手元から離れた。

「うさぎがしゃべっ…た」

「失礼。」

背広を着ているうさぎ。

ポンポンと服をはたいて一礼した。

「貴方がアリスさんですね」

サニーの方を見てうさぎは言った。

「失礼ね。こんな非リア充と間違えないでよ」

「えっ。こっち」

「うさぎ鍋に決定ね」

スッと包丁を抜く。

「アリス、落ち着くぜよ」

「貴方の親御さんからの伝言です」

「えっ…」

手から包丁が落ちた。

刃こぼれするのかな…なんて考える暇もなかった。

一瞬だった。

「何も心配するな。孤児院で元気に…と」

「それ……だけ?」

うさぎはそれ以上何も言わない。
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