Home*ただいまを言う場所*

乾杯は戸惑いの合図。


活気のある居酒屋の店内、奥まった座敷で、同窓会は行われた。

「カンパーイ!!」
「すごい久し振りっ!」
「てか8年ぶりでよくこんだけ集まったよね~!」
「え、てかもう8年?10年まであと2年しかないじゃん!」
「もうすぐ10年じゃん!」
「出会ってからはもう10年経ってるよ!」
「ヤバイ~!」

ガヤガヤとした店内で、ひときわ煩く盛り上がっているのが私たちのグループだ。
40人クラスのうち、30人が集まれた、という驚異の参加率である。
私は出入り口付近の端の席を陣取り、その盛り上がっている様子を眺めていた。
高校時代から、よく言えば元気な、悪く言えば騒がしいと先生方からお墨付きをもらっただけある我がクラスは、大人になっても相変わらずで。
……むしろ、お酒も入っている分、余計に元気があり余っている感じがすごい。

スーツ姿に化粧を施された顔、服装も、身に付けているものも、高校生の時とは明らかにみんな違うのに、どこか昔に戻ったような、そんな懐かしい気持ちになる。
仕事をしている子、結婚している子、子供までいる子、未だに学生をやっている子……噂では聞いていたけれど、久しぶりに直接あって報告を受けたり。
新たにまた、噂話は咲いていく。
8年という歳月は、私たちを少なからず遠ざけ、大人にしていた。

物理的にも、気持ち的にも。


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