俺様×意地悪=理事長子息!?



「ちょ…近い!!」

「何か?」


何か?じゃない!!
何しようとしてんのコイツ!?

「ふざけないでよ!大体婚約者って何!?」


「まぁ落ち着いてください。」

落ち着けるかっつーの!


「大体…!!」

「あーお前ら痴話喧嘩なら休憩時間にやれー。」

「だからーっ!」

「奈緒、今は静かにしましょう?…次の休憩時間屋上な。」


最後は私にしか聞こえないように小さく呟いた聖夜。
何で指図されなきゃなんないのよ!

「私いかな…」
「行くか来るで答えろ」

まってそれ結局どっちも私行かなきゃならないじゃん。
どこでそんなに性格歪んじゃったのかなぁ?
昔は可愛かったのに。


「で、返事は?」

「行かないに決まってるでしょ」

「来ないなんて選択し与えてねーんだけど。」


…知るか。

「行けばいいんでしょ行けば。」


私は半ばあきらめたかのように言った。
実際聖夜に行かないなんか言ったって却下されるに決まってるしね。


そして

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴った。

「起立、礼」

はきはきとした号令を聞きながらも
私の頭は屋上のことで埋まっていた。


いったい聖夜は何を考えてるのか。

10年離れてただけでまったく聖夜のことがわからなくなってしまった。


私はなぜかそれがなんとなく悲しかった。

どうしてだろう…。



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