愛、シテあげる。番外編


翌日


*****



動けない私をソファに寝かせ、その横で頬杖をつく蓮もとい魔王様。


悔しいことに、彼が記憶を飛ばすことは無かったようで。



「ほろ酔い程度でしたから」


「ちゃんぽんしてほろ酔いかよ」


「まあ、理性が脆くなっていたのは認めますが」



すっかり元の蓮に戻ってしまった。



「最初は可愛かったのにな…」


「可愛い男が好きなんですか」


「違うよ。蓮の可愛い姿なんて滅多に見られないから」



そう答えると、蓮は何故か微笑して

「どれが好きですか」

と尋ねる。


「なにが?」


「昨日の余裕の無い僕と、欲に負けた僕と、今の僕」


「えー」


そんなの決められないのに。



「全部」


「本当ですか?」


「だって、私は蓮が好きだから。昨日も今日も、どんなになったって、蓮に変わりはないでしょ?」


「…………ほう」



満足げに微笑んだ蓮は、私の耳に顔を近づけて

「………もう一回、しますか?」

と囁いた。


「無理!腰が無理!」


「今度は加減しますから」


「そういう問題じゃ、ってどこ触ってんのー!///」



動けず逃げられない私に、覆い被さる魔王様。



ああもう、どうにでもなれ。





『こんな僕は嫌いですか?』


(…もう少し加減してほしい)

(ツンデレですね)

(違うっ!)



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