ななちゃん
私は猫である それ以上の何者でもない
にゃあー。
どことなく体調が悪かった。


食事をとってから、
また吐いてしまった。
お母さんが病院に連れていってくれた。

お母さんはK医師という人に私を合わせた。
にゃあー。
K医師は、困惑した様子だった。

精神科と、呼ばれていた。
猫には精神科というのが分からない。
医師と二人きりにさせられた。

医師は私に話しかけた。
「困ったもんだね」
「にゃあ」
私も答える。
医師なら、ななちゃんや、お母さんを治してあげてよ!
フー。
と唸ってみる。
「よしよし、にゃー」

医師がにゃーとないた。
案外いい医師かも知れない。


「君の名前はなんだい?」
医師は私に尋ねる。

名前ってなんだろう?
猫は猫であると思う。

にゃー。にゃー。

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