約束・・・
初めての気持ち
キーンコオーンカーンコーン・・・
「起立!礼!」
「さようなら~」
みんながバラバラと教室を出て行く中、私はある視線を感じた。
「加緒!帰ろ!!」
突然後ろから背中をたたいてきたのは親友の理香。
「うん」
変な視線にきずかぬ振りをして教室を出た。
「なんか食べてかない?」
理香の満面の笑みに私はOKした。
そんな時、ある男に呼び止められた。
「ちょっと待てよ」
「え・・・」
振り返るとそこには金髪の男、クラスメートの河野真崎がいた。
「真崎君・・・どーしたの・・?」
「ちょっとこいつ借りるぞ」
「え・・・!?」
笑顔を引きつりながら話す理香に真崎はそっけなく答えた。
私は引きずられるように見知らぬところに連れて行かれた。
「ちょっ・・・手痛い!!」
私は勢いよく真崎の手を振り解き、睨んでやった。
真崎は見た目不良を言うかヤクザと言うか・・・危ない感じの人。
一番関わりたくないタイプの奴。
「いきなり何なの!?」
私が怒鳴ると真崎が睨み返してきた。
その顔がよりいっそう怖さを増した。
目があった途端・・・怖さのあまり視線をそらした。
やっぱりコイツ危険だよ・・・。
私どーなっちゃうの!?
ぼこられるのは嫌だぁ・・・。
そして真崎は手を振り上げた。
ビクッー
目を閉じると真崎は私の顔に手を添えた。
「そんなびびんなよ」
真崎の手は暖かかった。
「こわがんないで」
真崎が優しい笑顔で私に笑いかけていた。
気がつくと私は真崎の胸の中にいた。
「加緒・・・可愛い」
そう言って真崎は私の頭をなでた。
こいつは怖い奴なのに・・・まったく怖いと思わない。
真崎って本当はどんな奴なんだ?
知りたい。
なんでも、どんな事でもいいから。
やばい私・・・真崎にドキドキしてる。
こんな自分・・・自分じゃない。
こんな気持ち・・・知らない。
真崎は私に顔を近づけてきた。
私はほぼ放心状態。
気が付くと私と真崎の唇は重なっていた。
息があがる。
立っていられない。
足がガクンとなり転びそうになったのを真崎に支えられた。
「大丈夫?」
「うん・・・」


「俺と付き合って?」


「うん」


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