BEST―FRIEND
本編の最初は、今日と同じ雨で始まった。

女の人が土砂降りの雨の中、広い道を歩いていた。
なんか、それだけで悲しくなるような……せつない映画に感じた。
主人公の、女の人が夫のDVによって逃げようとして、逃げてもすぐに居場所を突き止められ連れ戻され監禁されていた。
それを知った彼女の元カレが助けにくるという、よくある設定の話だった。
……少しドロドロしてて見ていて胸が苦しくなった。

俊樹はその空気を読んでくれたみたいで…

優が膝に置いていた手を握ってくれた。

俊樹の肩に頭をもたれると俊樹が見つめてくれたのがわかった。

顔を上に向けると軽くおでこにキスをしてくれた。
『大丈夫?』『うん』とうなずいて俊樹の手を握り返した。

これだけ、俊樹の近くにいると明美と付き合っているのかどうか知りたくなった。
でも聞かないと言った以上…自分の言葉を貫こうと決めた。

映画が終わり外に出ると、あんなに降っていた雨が止んで太陽の光が雲から差し込んで来て、綺麗な虹が広がっていた。

『俊樹、見て…虹だよ。綺麗・・』

『ほんとだ・・優みたいだな…』と笑いながら俊樹が言った。

『えっ…やだ~嬉しくなる事、言わないでよ。どの辺が…??』と聞くと

『つかみ所が全くないとこ…』

『えっ??そこ??』

『なにキョトンとした顔してんだよ、俺が綺麗さで優に似てるとかでも言うと思ったわけ??』

『全然思わない………』

『またすねてる…おまえって単純だな…』

ほんと毒舌なんだから……


でも、そんな俊樹だからこそ私は好きになったのかもしれない…。


恋人未満の関係は、今がもう限界だっなてわかった。


< 32 / 40 >

この作品をシェア

pagetop