ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
「大丈夫?」
優しい瞳で見つめる彼に、ドキドキしながら「ありがとうございます」と頭を下げた。
見た感じ、大学生ぐらいのその人は、大きな手のひらでフワリとあたしの頭を撫でると「気をつけて帰れよ」とはにかんだ笑顔を残して去っていった。
彼との出会いは、ほんの数分程度。
だけど、あたしには、その数分が何よりも大切で…。
名前も、何も知らない彼。
いつか、また彼と出会えないか、街を歩く度、何度も彼の姿を探した。