ありがとう、さようなら
出会い
【桜花Side】
小学校6年生の時。
母の実家のある田舎へ、家族で行った。
母はすでに他界しているけれど、夏休みやお盆には毎年行くことになっていた。
私は、海を見たくなった。
母の実家は、海のすぐ近くにある。
潮の匂いが私は好きだ。

そのときは、ちょうど日が沈もうとしていた。
私は、堤防に座って、夕日を眺めた。

「何をやっているの?」
いきなり声をかけられて、私は慌てておちそうになった。
「だ、大丈夫!?」
声の主である少女は、慌てていた。

これが、私と真由の出会いだった。


< 2 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop