王様の、言うとおり



袋の中のパインを覗きながら一人、呟いたキング。

『やっぱりじゃんけん強いですね。』



「何が?」


『ほら、さっきパー出せって。』



キングが言わなければ私は他のものを出して負けていたかもしれません。

「あぁ、あれ?そろそろパー出すだろうと思って。」

『そろそろ?』

人混みの騒音に負けない声で聞き返せば、怪訝な顔をされました。



すみません、その一言ですべて分かってしまう理解力は持ち合わせておりません。



説明を、と顔でお願いすればちょっと呆れていますが、やっぱりな、と言う顔をされました。





「前の人達の戦歴見てたの。パー、全然出てなかったからそろそろ出すかなって。」

『なるほど。』



運とその場の勢いだけでは勝てないんですね。

『……だからあの女の人達を先に行かせてあげたんですか。』




「まーね。」



……優しいと見せかけて利用していたとは。




「……それより。他にしたいのは?」




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