王様の、言うとおり



「レモンスカッシュ。」



珍しい。



いつもコーラを飲んでるのに。

『買ってきますっ……!』



すぐに買ってきてさっさと機嫌を直してもらおう。

「菜月!ご飯食べないの?」



席を立てば、ちょうど自分の席からお弁当とジュースを持ってこっちへ向かってきていた奈留ちゃん。

『ごめん、奈留ちゃん!先に食べてて!』

鞄から財布だけ取り出して奈留ちゃんにそう告げると教室を出る。



キングはもう、道具をしまってお弁当を開き始めていました。


……レモン、スカッシュ。



レモンスカッシュレモンスカッシュ。

頭の中で何度も唱えながら教室を出た私はそのまま食堂横にある売店へと向かいます。



売店には、授業終わりの生徒達がパンやおにぎりを買うために群がっていて。



その一番後ろの方からジュースの入った透明の冷蔵庫を覗いてみるけれど、人の頭が邪魔で見えない。

割り込んで……なんてそんな勇気も持ち合わせていないので、並んで待つしか、ない。



買うものを買って売店を去っていく生徒。



< 153 / 600 >

この作品をシェア

pagetop