王様の、言うとおり
「春日?どこ行くの?」
昇降口を出ようとした時、筆記用具だけ持った、森田くんに会いました。
財布だけ持って出ていこうとする私を不思議そうに見つめられる。
『ちょっと用事があって。』
「用事?」
帰らないの?と小首を傾げる森田くんに曖昧に笑います。
『うん、ジュースを買いに……。』
「自販機あるのに?」
自販機はあるけれど、そこに無かったのです。キングの飲みたいジュースが!
『あー……うん。自販機に無い種類だから。』
その為だけに買いに行くのか、有るので我慢しろよ、ってきっと思われているはずです。
少し恥ずかしくなり俯きがちに言いました。