王様の、言うとおり



「ケガ、したの?」


『え?』



「ほら、血が出てる。」



手、と言われて、ハッと自分の手を見れば、言われた通り血がついていて。

さっき振り払われた時のだ……。



「気付かなかったの?珍しい。血、苦手なのに。」



『、あ、洗ってくるっ!』




不思議そうに私に言うお母さんに背を向けて、洗面所に飛び込みました。

電気をつけると、しっかり見える赤いソレ。

時間が経ったから、所々乾いてる。



思わず顔が歪んでしまうのを自覚しながら、水で洗い流します。





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