王様の、言うとおり



『………。』



急にまた、冷たい口調で帰ってきて、私は開きっぱなしだった口にバスタオルを押しつけるようにグッと丸くなりました。






「高原?泳がねーの?」



キングの前に、人が立ったのが音と気配で分かります。

それを感じた瞬間、私は咄嗟に目を瞑って寝たフリ。



“黙れ”……てっきり私の発言に対してかと思い心に痛みがはしりましたが、それが私に対してでは無く人が来ることによる警告だったことが分かり、ホッとしました。



声の主は分かります。


さっき私を無理矢理海に引きずり込もうとした……森田くん。




森田くんの陽気な空気と反して、キングの冷たい空気に、ここは寝たフリをしておいた方が良いと思いました。


「……泳がない。」




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