王様の、言うとおり
盛り上げていこうかと無駄にテンションの高い先生。
とは逆にテンションの下がる決めごと。
『学級委員がいい人ー!』
手あげて、と先生が手を上げますが誰も挙げず、しん……。
入ったばっかりで右も左も分かんない中、委員の仕事なんて出来ません。
私は次に先生が『なら勝手に決めるぞー。』と言うと思い、さっきからずっと先生と目が合わないように下を向いて存在感を消していました。
すると、
『やっぱいないかー……。』
―それじゃあ先生が勝手に決めるぞー…―
続く言葉を心の中で思います。
『そうなると思ってなー!先生が勝手に決めてきました!』
はぁ!?と焦りだしザワザワするクラスメイト。
私も予想を越えていて驚きで目を見開いて先生を見てしまいました。
決める、じゃなくて決めてきた!?
それって名簿見て勝手に考え当てはめたってこと!?
この場なら目を合わせないように存在感を消していれば、先生の視界に入らなければ免れると思ったのに!
名簿だと存在感消すどころか逃げ場がない……!
何かさせられてはいないだろうかと不安が沸き上がります。
体育委員なんてハードそうなものに任命されていたら、もう、私不登校になるかもしれない。
胃潰瘍になるかもしれない。
『まぁまぁまぁ、落ち着けって。』
私と同じようにみんな慌てたのでしょう。
ザワザワしているのを宥めるように先生が笑いながら宥めます。