王様の、言うとおり



背筋が無意識にピン、と伸びました。


『って事で明日提出の課題見せろ。』



「え!今から!?」

『うん。』



うんって!



「テスト勉強しないで全部写すの!?今から?」



『あ、俺にテスト勉強して欲しい?代わりに菜月がやってくれる?』




「貸しますっ!はい!」



『……どーも。精々先生に見放されない位置にいろよ。』


最初くらいは。




その言葉を最後に、煌は部屋の中へと入っていきました。




……普通、『ありがとう。』じゃないでしょうか。

貸してあげたのに仇で返されました。



……テスト勉強しないで課題やってて大丈夫なのでしょうか。



そんな私の心配なんて、無用でした。




【ご。王様の先読み】





     どこまで

 先を見てるのってくらいに

  煌は抜け目が無いです。



.   すごいと同時に、


.    非常に怖い。






実力テストの結果が貼り出され、

一番の場所にノーマークの人物がいて驚いた人はきっと沢山いたはず。



その人を確認しようと他クラスから偵察に来た人によって煌の知名度と人気が出たのはすぐのこと。



(何か一位だった人カッコ良かったんだけど!)
(えっ、誰!!)




(菜月、何位だったー?)
(……聞かないで下さい。)







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