王様の、言うとおり
あの、ぐちゃぐちゃになってしまった室内、煌のケガ……またそうなったら。怖い。
「煌だって学費払って貰ってるのは父親だって思ってるでしょ?私は家事もしてないし。」
『そんなことは……、』
「煌も私は必要ないって思ってんのよ。」
『それは違いますよ!』
「……。」
『ぁ。』
失敗した。そう思った時には遅かった。
サァーっと体温が下がる。
不満を話している人に否定するようなことは言っちゃいけない。
うん、そうですねって黙って聞いてあげなければいけないのに……!
「菜月ちゃん?」