王様の、言うとおり



最後に持っていた線香花火をバケツの中に入れて立ち上がろうとすれば、


ぐいっと掴まれ立ち上がることを阻止するように下に引っ張られた手首。



まさか掴まえれるとは思っていなかった突然の力にすとんと下がる体。




元の位置にしゃがんで戻ってしまった正面の近い位置には、

キング。



ち、近い……!


す、と近づいたと思ったら、




そのまま、数秒。

「………。」

『……早く気づけ、バカ。』



近いけど、いつものように不敵な笑みで。






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