王様の、言うとおり
もう塵にされて吹き飛ばされて終わりに決まってる。
大体少女マンガでも、男の子は王子様みたいにかっこいいし、主人公になる女の子も可愛いもんなぁ。
これがキングがいつも言う、理想と現実ってやつなのかなぁ。
はぁ…とため息。
それに、周りに公言していなくても、密かに思っていた子もいるだろうし……。
言うなんて、無い。
好きと伝えることもできず、会話をすることもできず、
ただ見ているだけしかできない女の子がいるかもしれないと考えれば、
今こうして監視されてるみたいだけれどくつろいでいるプライベートなキングを見れている私はまだいい方なのかもしれません。
『シャーペン、止まってる。』
ぼうっとしていた思考をまた現実へと戻らせるのは、
後ろから聞こえるキングの声。
私の体に隠れて後ろからはシャーペンが見えないはずなのになぜ。
動いてないとわかるのでしょうか。
「……考えてたんです!」