王様の、言うとおり

………。

「煌(こう)さーん…?朝ですよ!目覚ましうるさいので止めてもらえませんかーー?」




ピピピピピピ…



目覚ましの音にかき消されないように声を出して呼び掛けます。

喉痛いからあんまり大声だしたくないんですけどー……。


それに私の声も朝の静かなこの団地からすれば近所迷惑かもしれない。


だけど今は、すみません。




このうるさい音源を一刻でも早く消し去ることに必死なのです。

「起きてもらえません?」


ピピピピピピピピ…

「や、起きなくても私には関係ないので。起きなくて良いから目覚ましだけ止めてもらえませんか?」






ピピピピピピ、あ。

止まった。

再び静寂が戻る。

耳にはまだあの音が残ってしまっているけれど、やっと起きたみたい。





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