白銀の女神 紅の王Ⅱ



愛している――――



その気持ちに気付いたのはいつからだったか。

思い出すのも難しいくらいに自然と惹かれていた。



エレナを後宮に迎えた時はまさかこうなるとは思ってもいなかった。

だがエレナという存在を知れば知るほどに惹かれ、自分の気持ちを誤魔化すことはできなかった。




純粋で真っ直ぐで飾り気のない性格。

他の者が臆するその容姿も俺だけが愛するためにある。

あの幼馴染にも、ギルティスの王にも渡さない。





俺だけのものだ―――


楽しいときも悲しいときもいつだって傍に。

涙を流すのなら不安が消えるまで抱きしめよう。

お前が逃げて行かないよう俺はいつだって引き止める。




そうしてこれからも一番近くで守り続ける。







俺だけの白銀の女神を―――





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