白銀の女神 紅の王Ⅱ
「好きにしろ。」
フイッ…と顔を逸らし、そう言う。
すると――――
「っ…本当に!?」
エレナが目を丸くして驚く。
「二言はない。」
答えた瞬間――――
「ありがとう、シルバっ!」
感極まったエレナが抱きついてきた。
首に手を回して飛びついて来た柔らかな身体。
俺が抱きしめた時には震える癖に。
しかし、抱きついて来たのは一瞬の事で…
「良かったわね、ニコ。」
身体を離し、子犬の方へ声をかければ、キャンッと鳴く子犬。
「ニコ……?」
「この子の名前です。」
エレナが嬉しそうに答える。