白銀の女神 紅の王Ⅱ
「事実だ。」
「そう………」
一言肯定を口にすれば、小さく返ってくるエレナの声。
これが理由か……
瞬時にエレナがソファーから離れない理由を察した。
そして、ため息をつきながら口を開く。
「まさか俺が応じると思っているんじゃないだろうな。」
「…………」
沈黙……と言うことは肯定するということか。
冗談じゃない……
俺がそうやすやすと縁談を受ける様な事をしないことはエレナも分かっているはずだ。
「何か言いたいことがあるなら言ってみろ。」
エレナが意地になっている理由は他にある。
そう思って、布団をかぶったエレナに問いかけるが…
小さく息を飲んだまま沈黙を決め込むエレナ。
「そうか。なら俺にも考えがある。」
そう言えば、小さな肩が布団の中で揺れた。
言いたくないのなら言わせるまでだ。
自分の中で小さくわいた黒い感情を持て余したまま、ベッドに身を投げる。
さて……明日から忙しくなりそうだ。
フッと黒い笑みを零し、眠りについた。