カワイイ系〝彼氏〟
手を繋いだまま
正門を抜けると……
「実穂ーっ」
と大声で
誰かに呼ばれた。
「和沙!おはよう」
その子は
あたしの友達の和沙。
「おはよう♪
今日も神藤くんと仲良しね」
和沙の言葉に
あたしは顔が赤くなって
俯いてしまった。
たった、それだけで
あたしは恥ずかしくて
堪らない。
すると渚は
恥ずかしがる様子もなく
「当たり前です♪だって
実穂先輩は
俺の彼女だもんっ」
と、自信満々に言ってみせた。