自己中彼氏
「ねぇ、春人」



隣で由香が俺に問う。


「ん?」



「ドS」


なんだと思ったら、


『ドS』の一言かよっ!



俺は意地悪をして、そっぽを向いた。


「春人?怒った??」


「……」


返事をしない俺。


「春人ぉ……」



今にも泣き出しそうな声。


俺は由香を優しく包み込んだ。



「春っ……。春の意地悪っ!」


「はは。でも、抱きしめられるのは、嫌じゃないだろ??」


「……」


きっと今の由香は真っ赤だな。


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