月物語2 ~始まりの詩にのせて~
3章 迅速果敢 ~仲間集めと作戦篇~

―1―




礼が寝ようとしていると、ふと、男が湧いて出た。



―花?



けれど、今晩は女官が来ていたから、そんなはずはない。



二人とも来ることもあるのか、と礼は首を傾げる。



今までそんなことはなかった。



第一、男はいつどうやって入ってきたのか。



男は、花の容姿をしていた。



「花、かしら?」



そう言うと、男は妖しい笑みを浮かべる。



男は優雅に一歩踏みだし、次の瞬間には礼の目前にいた。



近すぎて、男の顔が見えない。



男はそのまま礼の腰をさらうと、礼を寝台に寝かせた。





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