月物語2 ~始まりの詩にのせて~

―2―




静かな夜だった。



今日は、女官も花も来ない。



妙だと思いつつも、礼は開放された気分だった。



こういう日があってもいい。



昨日の今日だから、また誰かに侵入されるのではないかという心配が、あるにはある。



それでも、一人になって考えたいことがあった。



特には守兵は増えていない。



警護の見直しが煩わしいから、誰にも言わなかった。



それでも、朱雀が何らかに感づいていたようだから、何かあるだろう。



礼の勧はすぐに当たった。



「で、なんであなたがここにいるの?」



「あっ、えっと…えーと…」



「………。」




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