月物語2 ~始まりの詩にのせて~
「用意してもらいたいものがある。」
「何なりと。」
思わず笑みが零れる。
恩を売る機会が巡ってきた。
「そこそこの貴族の衣装二着。
平民の衣装二着。
動きやすいものをお願い。
今言ったのは私用で、あと、男物は…まぁ何でもいいわ。
とにかく三着くらい用意して。」
―は?
金大好の目が点になる。
「それから一つ売れば、二週間暮らせるくらいの小物を十。
これは、できるだけ小さくて軽い物がいいわ。」
―王は、何を言っているのだ?
「余り高級なものでは駄目だぞ。
一般人が二週間そこそこに暮らせるくらいの金額で。
それから、この短刀の予備も欲しい。」
礼は足に取り付けている短刀をちらりと見せる。
「あと、剣を一本と、靴も私用一つと、あっ、どうしよう。
サイズとかあるのかしら。」
礼はぶつぶつ口ごもる。