月物語2 ~始まりの詩にのせて~




王は頷いた。



朱雀は黙ったままだが、納得したのだろう。



これで、とりあえず張湯を逃がす目処が立った。



明道が到着してはや三日間。



命がけで駈けてきたのだ。



早く出発した方がよい。



あっちが手遅れになったら、張湯はさらなる責任を背負うだろう。



誰が何と言おうともだ。



それだけは避けなければならない。



己の任務は、張湯を生かすことなのだ。




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