37度の微熱
弥生と話していくうちに俺はいつのまにか
自然に笑って溶け込めていた。

聖鵬生なんて俺みたいなバカを
けなすみたいなイメージだったけど
弥生は違う。


金持ちなのに、自分でバイトして
貯金していると聞いて
おれはこの時、初めて
女に尊敬した。



日頃の愚痴や学校のこと。


俺はそれが楽しくて、帰りたい気持ちも、イライラしていた気持ちもいつしかなくなっていた。


ただ、単純に心の底から笑っていた自分がいた。








でも、今一番気になるのは
弥生の【赤い目】だ。


泣いていたの?



って聞いていいのか。


少しためらったけど、俺は聞かなかった。

なぜなら弥生も俺の恋愛について触れようとしなかったから。


でも、本当は分かってた。





弥生が恋愛で傷ついて泣いていたということを。







なあ、弥生。
俺は今日人生の大殺界の大殺界だったと今でも思う。
思えば俺は、お前に出会えたことは
ついていなかったとは絶対思えねえよ。


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