kenka
第7章 残り物
『奈央、何やってるんだよ?』
『あ、優花おかえり~』
誰も居ない下駄箱。
靴をはく優花と、それを見て
待っている奈央。
『先に帰っても良かったのに。
もうこんなに暗いし…補習だし』
『馬鹿、1人の方がつまらないだろ?』
『それもそうだな♪帰るか』
たあいもない帰り道。
『あれ…行き止まりか?』
いつもの道は工事中だったので、
橋の下を通って遠回りで
帰る事になった。
『優花はさ、高校とか決めた?』
『うーん。あたしは呉羽に入りたい』
当時2人は喧嘩の繰り返しで、
どちらも同中からは怖がられていた。
2人が信用出来たのは、2人だけだった。