君が望んだ永遠



「どうして、
あたしに借りに来たの?」

だって他にも
男友達とかいるでしょ?



「今日は
このクラスしか生物ない日なんだって。だから
幸音ちゃんに借りに来た。
……嫌だった?」



少し悲しそうな顔をして尋ねてくる雪原。



「……っ////」


そんな顔されたら
嫌なんて言えるわけないよ!



「わかった」


そう言って
あたしは自分の机から
生物の教科書を取り出すと

雪原に渡した。



「さんきゅ」


さっきまで
悲しそうな顔をしていた雪原は
いつの間にか
へらっと笑っていた。




< 60 / 194 >

この作品をシェア

pagetop