裸足のシンデレラ

「そ、我慢。今まで抱きしめるまでで抑えてた俺、多分聖人だと思う。」

「なっ…何言って…っ…。」


いつの間にか唇にあてられていた瞬の指。


「な…なに…？」

「目、瞑って。」

「え…？」


そっと触れた唇に、体中の熱が反応している。
唇が触れたその瞬間に、あたしはゆっくりと目を閉じた。

唇が離れ、目を開けるとそこには今まで見たこともないくらい優しい顔をした瞬がいた。


「はぁー…なんなのそのウルウルした目。誘ってんの？」

「はぁ？んなわけないでしょっ!!」

「とりあえず真姫。」

「何よ？」

「俺、お前にはもうすでに一生分の理性を使い果たしちまってるから、もう手加減なしだぜ？」

「はい？」

「帰んぞ。」

「きゃあっ!!」


ひょいっと抱き上げられて思わず声が出た。


「んだよ…お前の大好きな『お姫様』だっこだろ？」

「お姫様のとこ強調しすぎ!!」

「黙ってだっこされてろよ。裸足じゃ危ねぇし。」

「大丈夫だよ!!」

「いーから黙ってろって。じゃねーとキスすんぞ。」

「…黙ります。」

「んだよ可愛くねー…。」

「…バカ…。」



*END*