裸足のシンデレラ
正直言うと…話したくはない相手だった。
仲がいいのは、シンデレラの練習を見てても痛いくらいに伝わってきたし、何より…
温かい眼差しで姫花ちゃんを見つめる三橋くんを見るのは、辛かったから。


「遠野さん、こんなところで何してるの?」

「あ…えっと…。」


そりゃそう思うよね…。
だって自転車置き場で一人で待ってるって。
っていうか待ってるって言っても人を待ってるわけじゃないし。

『人混みが苦手で、雨もひどかったからここで一人で雨が止むのを待ってたの。』
なんて言うのも寂しい人みたいで少し嫌だ。

思いを巡らせすぎて何を言えばいいか分からずに戸惑っているあたしに、言葉を発したのは三橋くんだった。

















「もしかして…服部を待ってるの?」

「え…?」




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