裸足のシンデレラ
裸足のシンデレラ
* * *


…劇が終わった帰り道。
なんだか知らないけどあたしは瞬と帰ってる。
っていうか…沈黙が痛い。


「真姫。」

「なっ…なに…?」

「…ちょっとさ、付きあってくんね?」

「え?」

「…行きたいとこ、あるんだけど。」

「行きたいとこ?どこ?」

「…着くまで言わねーけど。」

「はぁ?なにそれっ…。」

「行く?行かない?」

「…危ないとこじゃないんでしょうねー?」

「危なくねーよ。つーかもう乗れ。」

「へっ?」

「いいから乗れ。行くぞ。」

「わっ…ちょっと…。」


ぐいっと引っ張られ、そのまま抱きあげられる。


「ちょっ…瞬っ…。」


…恥ずかしさで死にそうになる。
距離も近い。


「んな顔すんなっつーの。」


少し呆れた声が返ってきたのと同時にあたしは後ろの席にストンと落とされた。


「掴まってろ。」

「…うん。」


自転車は進み出した。
あの雨の日のように、風を切りながら。


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