*恋文戦線*
ファミレスまでは遠いから道なりにあるコンビニに寄ることになった。


ホットドリンクコーナーに並んで立つ。


「渡辺って、本当甘党。」

「誰かと違って頭使うからね。」

「よし、その誰かに今すぐ土下座して謝りなさい。失礼極まりなくてすみませんって謝罪しなさぁいっ。」

温かい濃厚ミルクココアを片手に渡辺は呆れた顔をしながら上の段に手を伸ばす。

「馬鹿な事いってないで、はい。ひな、これでしょ?」

「………、ん。」

カフェオレの甘さ控えめ。何でわかったんだろう。

ひなはまたマフラーに鼻を埋めて、温かいカフェオレを受け取り、両手でぎゅっと胸元に抱えた。

「くっそぅ…。」

「なに?」

先を歩く渡辺が首だけで振り返る。

「別に。」

再び前を向いて歩く渡辺の背中を睨み、ひなは唇を尖らせた。

最近、コイツじわじわ甘い…。

なんだか肩甲骨辺りがむずむずするような居心地の悪さに、ひなは無性にあああぁっと叫んでしまいたくなる。

涼しい顔した渡辺と腑に落ちないような表情をしたひなは、会計を済ませすぐ近くの公園になんとなく進んだ。

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