世界が終わる前に


ありえない……と、言うよりも意味がわからなかった。


相田さんのハスキーな声がすらすらと紡ぐ台詞は、あまりにも私には理解不能すぎて……全く現実味というものを感じない。


……これは本当に現実?



思わずそんな事まで考えてしまうくらい呆気に取られた私は、情けなくも口をぽっかりと開けたまま相田さんの後ろでフリーズしていた。



「てか……あんたを今回の合コンにって条件、出したの“あの”漆原黒斗なんだよ?」


「は……?」



……ウルシバラクロト?


誰……なんだろう……?


しかも……“あの”ってなんか意味深じゃない?


とってもただ者じゃない感じがするんですけども!



やっぱり相田さんの台詞は理解出来ない。


相田さんが一生懸命に説明してくれてるってわかるけど、私には理解出来ない。


私みたいな一般人には、相田さんみたいな人種の思考すら理解する事が出来ない。


< 39 / 202 >

この作品をシェア

pagetop