【短編】君が生まれて……
 少なくてもお父さんははっきりと『好きだ』って自覚はなかった。彼女の事もあったしね。


 お父さん達が知り合ってから一ヶ月ぐらいたった頃、お母さんが電話で言ったんだ。


 『今度そちらに旅行に行こうと思うんですが……よかったら案内してもらえませんか?』


 それが大きな分岐点だったんだ。そこでもし僕が……お父さんが断っていたら君は生まれていなかったんだよ?


 でもお父さんは断らなかった。


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