白緑蝶"Ice green butterfly
間違った愛でも、そこに愛が
あったから私は幸せだった。

ソラとの間には、愛はない。

私の頬を流れる涙に、真澄の
手が触れたかと思った瞬間
真澄は私をその胸に抱き寄せた

「マスミ?」

「黙ってろ」

この感じ、懐かしい・・・

大好きだった、この感覚。

嫌いで別れたわけじゃない。

「・・・・・・
 猫、元気?」

「ヒワかぁ?
 ああ、元気にしてる」

離れる、二人・・・

「猫に、昔の女の名前
 つけてるなんて奥さんになる
 人が知ったら痛い話だよ」

「だな、言えねえな」
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