白緑蝶"Ice green butterfly
「ユラ
 おまえも浸かれよ
 
 いい湯だぜ」

露骨に私の口づけを逸らして
おいて、貴方は何も無かった
ように話すのね。

貴方の手が浴槽に立つ
私の手に触れる。

私は、その手を思いっきり
振り解き、浴槽を出た。

「ユラ?」

「私、先に洗うね」

「ああ」

私は、化粧をした顔に
強いシャワーを浴びせる。

なぜなら、貴方には
絶対に知られたくないから。
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