白緑蝶"Ice green butterfly
私も正直、彼女になりたい。

だけど、なれそうにない。

彼女?

そうだ、彼女はどこ?

空色のリボンが付いた花束を
持った、彼女はどこにいるの?

私は、辺りを見渡す。

どこにも彼女の姿はない。

ここには居ないみたい。

その時、マイクを通した
大きな声がホール内に響いた。

「お待たせしてすみません
 時間が時間です
 そろそろ、始めましょう」

「いいんですか?
  
 ケイトさん
 まだ来られてませんが・・」

「もうこれ以上、彼女の到着を
 待っているのは、ソラさんに
 失礼かと・・・」

「そうだな、始めよう」

その声に、流れていた音楽は
消え、辺りは一度に暗くなる。

「キャッ」
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