白緑蝶"Ice green butterfly
濡れた手をタオルで
拭きながら、お店に出て
来たのは、ひわの姉のすず。

この花屋の、店主だ。

「ごめん、水揚げ中
 だったよね?
 適当に帰るから
 私の事は気にしないで」

「そう?」

作業場に戻る途中、すずは
アレンジされた花を見つめる
ひわに声をかけた。

「そうだ、ヒワ
 帰る時、上に顔出して
 カッちゃんに昼食
 ご馳走してもらいなさい」

「うん、そうする」

私はこの場所で、個性溢れる
花の香りを嗅ぐと心が安らぐ

姉の勧めで働き出した頃は
毎日、鼻につく匂いに頭が
痛くなったっけ。

カランカラン・・・
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