Rose of blood
「瑠花様は温室がおきに召されたようですね」

「うんっ!!なんだか落ち着くの……ここに咲いている薔薇たちを昔から知っているような気がする」



ううん……知っているの。


薔薇だけじゃない。


色々な事を私は知っている。


信じられなくて真実から目をそらしているだけ。


受け止める程の強さが私にはない。



「瑠花様、お茶とお菓子の準備ができましたよ」

「ありがとう、今日も美味しそうっ」



私はここに存在してはいけない。


こうして穏やかに笑いながら過ごす事事態、許されない事かもしれない。






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