Rose of blood
「シエル様、失礼致します」



カナリアが食事を運んできた。


綺麗にテーブルの上に並べられていく。



『必要ないと言っているだろう』

「そうは参りません。大事なお体ですから、食べられないのであれば血をお飲み下さい」



そう言って血の入ったグラスを俺の目の前に置いた。



『……この香り』

「お気付きになられましたか。瑠花様の血でございます」

『どうして……』

「シエル様がどうなってしまうのか、分かっていらっしゃったのではありませんか?国王様に自分の血を取って保管してほしいと仰ったそうです」






< 244 / 534 >

この作品をシェア

pagetop